21キロなんて、車生活で慣れた頭なら ほんのすぐそこ。
それが自分の脚で、しかもノンストップで走るとなると、いとも簡単に自分の力の限界に直面する。
普段の生活じゃ、到底感じることなんてできない 体力の限界。700人ものランナーが同じように自分との戦いを黙々と繰り広げるステージは、ただの普通の県道。日常と非日常がごちゃ混ぜな不思議な感覚に包まれる。3000円そこそこのエントリー料を払えば、そんな不思議ワールドに突入できる。マラソンは、健康維持とか体力アップのためとか言うけど、もしかするとこの不思議感覚を体験できるのが一番の醍醐味なのかもしれないと、手先がしびれて 乳首がひりひりし、半分気を失いそうになりながら走るあいだにひらめいた。
今回も追い越し、追い越されするランナーを横目に、この人達はいったい何のために走っているのだろうと思った。自分は? といえばやっぱり誰かのため。残すところあと2試合、なんとか精いっぱい頑張ってほしい子どもらサッカー選手のため、ちょうど国家試験の模試をがんばっている学生たちのため、毎日健康のために頑張って歩いている母のため、などなど。たくさんの「誰かのため」があったからこそ、走り切れた。
今回も、十分練習ができていない中での本番だった。でも、大会の雰囲気と沿道の応援、なにより一緒に走った40代オヤジ陸上部のメンバーのおかげでゴールすることができた。マラソンの魅力、ん〜奥深い。
MIKAN(未完)で終わらず、ひと安心した――っ。